イギリスの医療制度
先日、この春からご主人の海外赴任に帯同する奥さまKさんの個人レッスンがありました。
現地では、専業主婦として2歳になるお子さんと過ごすので、買い物や病気の時など、生活で必要となる英語を中心に学習をしています。
今はどの国でも日本人医師や日本語を話せる医師がいますが、やはり大きな都市に限られていて、地方都市では現地の医者にかかることになります。
幸い、私は風邪もほとんどひかないくらい健康に恵まれているのですが、それでも海外で何度か医者にかかったことがあります。
一度は乗せてもらっていた車で交通事故に遭い、カナダで救急車に乗りました。
また、オーストラリアではひどい腰痛になってカイロプラクティックに通ったり、歯の詰め物が取れて歯医者に行ったりしました。
医療や薬の英語は難しいし、限られたボキャブラリーで「しくしく痛む」とか「ズキズキ痛む」などの微妙なニュアンスが伝えられるかと、腰の痛みに打ち震えながら(大げさ)心配したものです。
お子さんがいればなおのこと、病院に行く機会も多いかと思います。Kさんも、今からすごく不安なようです。
「必要は発明の母」ではないですが、必要に迫られれば、知ってる単語やフレーズを駆使し、何とか乗り切れることが多いものの、少しでも勉強し備えておけば、いざという時慌てずにすみます。
そして、医療制度も国によって違うので、事前に調べておかなくてはなりません。
イギリスはNHS(National Health Service:国民健康サービス)という公共の医療機関があって、イギリスに住んでいる人なら外国人でも、薬代を除いて原則無料で診療が受けられるそうです。
医療費は税金でまかなわれています。
NHSにかかるには、最初にGP(General Practitioner:かかりつけ医)に登録しておく必要があります。インターネットサイトなどでリストを入手して自分で選び、予約をしてGPに行くと、問診で簡単に登録してもらえるそうです。
具合が悪い時は、まずGPに予約をして診察してもらい、そこで対処できるものであれば処方箋を出してもらうなどして終わり。専門医の診察が必要と判断されると、紹介状を書いてもらって、専門医のいるNHSの病院にかかるという手順だそうです。
聞くだけで、ものすごくめんどくさそうというか、時間がかかりそうな気がしますが、実際、無料で誰でも受け入れてくれるので待たされることも多いようです。
もちろん、緊急の場合は、GPの紹介なしでかかることができるNHSもあります。
他には、プライベート(私立)の医療機関があり、そこは直接行って診療を受けることができますが、全額自己負担(プライベートの健康保険に入っていれば何割かの負担)、しかもものすごく高いらしいです。
ただ、高い分、NHSと比べると格段にサービスがいいということですので、時々に応じて使い分けたり、自分に合ったものを選択するということでしょうか。
日本でも最近は、大きな病院にかかるときは紹介状が必要なことがあり、医療機関の役割分担が進んできているように感じます。
どの国の医療制度がいいとか悪いとか、軽々に言えることではないし、すべての人が満足できる制度などないのかもしれませんが、違いを知るというのはおもしろいことです。
GPはどうやって選ぶのか、公立と私立の病院は実際どんなふうに違うのか、具体的に知りたいことがたくさんあります。
Kさんが渡英されたら、教えてもらいたいと思っています。
明日は大寒。風邪、インフルエンザなど流行していますが、医者にかからなくていいように気を付けて過ごしたいです。
2017年1月19日